80年代のUKのインディーを中心にSpotifyのプレイリストを作りました。
以前80年代のポップスのリズムの変遷を意識して選曲プレイリストを作りましたが、今回はその時UKではどのような動きがあったかを意識しながら選曲してみました。
MTVという新たなプラットフォームでマイケル・ジャクソンやプリンスといった大スターが活躍していた80年代前半から「ウィー・アー・ザ・ワールド」というピークを迎え、ジャネット・ジャクソンとHIP HOPが一気にポップスのムードを更新していくというのが前回の80年代ポップスのプレイリストの大きな流れだったのですが、今回の80年代のUKインディーのプレイリストのテーマは、マンチェスターとクリエイション・レコーズの存在です。
そこに、U2やザ・ポリス、ザ・キュアー、エコー&ザ・バニーメンといった当時のUKシーンを引っ張っていたバンドと、『C81』や『C86』というインディー的価値観を加えてみました。
この時期のマンチェスターは、ジョイ・ディヴィジョンからニュー・オーダーを発端とし、ザ・スミス、ストーン・ローゼズ、ハッピー・マンデーズといったニューウェイヴ以降のバンドの中でも特にリズムに意識の向いたバンドが多く現れています。
そして、アラン・マッギーが創設したインディー・レーベルであるクリエイション・レコーズからは、ジーザス&メリーチェインを始め、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやライド、ティーンエイジ・ファンクラブなどノイジーなギターが特徴のバンドが多く輩出されることとなります。
ちなみにクリエイション・レコーズの顔役とも言えるプライマル・スクリームのフロントマンのボビー・ギレスピーはアラン・マッギーと幼馴染であり、ジーザス&メリーチェインをアラン・マッギーに紹介することになります。
その縁から、初期ジーザス&メリーチェインのドラマーをボビー・ギレスピーが務めています。
そして、この2つが絡み合うことで80年代後半にかけてマッドチェスターやシューゲイザーと呼ばれるシーンを形成していき、この後に起こるブリット・ポップの地盤を築くこととなります。
なによりオアシスがその両方を出自とするバンドだということがその証左ではないでしょうか。
更に深堀りしてみたい方は『24アワー・パーティー・ピープル』や『アップサイド・ダウン:クリエイション・レコーズ・ストーリー』という映画がマンチェスターやクリエイション・レコーズの音楽がいかに新鮮だったかがわかる作品になっているので、ぜひご覧ください。