00年代のインディーを中心にSpotifyのプレイリストを2つ作りました。
1つ目はニューヨークのミュージシャンを中心にカナダを含めた北米の00年代のインディーシーンを振り返れるように選曲してみました。
00年代初頭の音楽シーンといえば、ガレージロックリバイバルやポストパンクリバイバルといったムーブメントがアメリカ以外にも波及したのですが、それを先導していたのはニューヨークのミュージシャン達でした。
例えばガレージロックリバイバルの筆頭として挙げられるザ・ストロークスも、一方ではニューヨークの音楽シーンに目を向けさせたバンドという見方をすることができます。
中でも、LCDサウンドシステムのジェームス・マーフィーとTV・オン・ザ・レディオのデイヴ・シーテックという2人の活動は00年代のUSインディーシーンをリードする存在でした。
その後のバンド活動も無視できないほど重要なのですが、ラプチャーやヤー・ヤー・ヤーズといったポストパンクリバイバルを先導するようなバンドにこの2人がプロデューサーとして関わっていたことからも、ポストパンクリバイバルにとっても00年代のニューヨークのシーンにとっても非常に重要な存在と言えます。
また、08年にニュー・エキセントリックと呼ばれていたシーンで存在感を放っていたヴァンパイア・ウィークエンドやMGMTといったバンドもニューヨーク出身であり、ニューヨークのインディーシーンの1つのピークを迎えた09年にはアニマル・コレクティヴやダーティー・プロジェクターズ、グリズリー・ベアといったブルックリン周辺のミュージシャンが相次いで傑作をリリースします。
そのようなニューヨークシーンの盛り上がりを意識しながら、R.E.M.以降のUSインディーに脈々と流れるフィーリングも感じとってもらえれば幸いです。
そして、上記のガレージロックリバイバルやポストパンクリバイバル、ニューエキセントリックといった流れをイギリス寄りの選曲で作ったのが今回の2つ目のプレイリストです。
00年代は非常に新人バンドに勢いがあった時代でした。
イギリスに限らず、様々な国で勢いのあるロックバンドが発見されたガレージロックリバイバルから始まり、ポストパンクリバイバルを経過し、アークティック・モンキーズが登場するという流れは、当時ティーンエイジャーだった私は非常に興奮しながら聴いていました。
ですので、この2つ目のプレイリストは上記のUSインディーの流れを考えながら選曲したのと比べると勢い重視な選曲になっていますが、その分当時の勢いが感じられるかもしれません。
ということで、以前作った80年代のプレイリストの2つが表裏の関係にあるように、この2つのプレイリストを聴くことで、00年代のインディーシーンの空気感が感じ取れると思いますので、ぜひ当時の空気感を想像しながらお聴きください。