日本時間で明日3月5日の午前10時から第90回アカデミー賞が行われるということで、予想をしてみました。
予想を始める前にここ数年のアカデミー賞の結果を眺めてみると、グラミー賞以上にその年のムードが反映されやすい傾向があるように思えます。
もちろん、ムードだけに左右される訳ではなく作品の力や技術があってこそなのは言うまでもありませんが、例えば、ブラック・ライヴス・マター以降のムードがグラミー賞の主要部門にまでは反映されていないのに対し、アカデミー賞は作品賞や助演男優賞、助演女優賞などから読み取ることもできます。
今年はハーヴェイ・ワインスタインの騒動以降のミートゥー運動やタイムズアップ運動が今年のアカデミー賞の1つのムードになるように思います。
そして、去年から続くアンチトランプの流れも考えると、力強い女性や性的暴行、閉鎖的な田舎を描いている『スリー・ビルボード』がそのムードを捉えているのではないでしょうか。
また、『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督が監督賞にノミネートされていない点からも、そのムードによる票が作品賞に集中するような気もします。
ただ、直近に公開されたポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』や、去年作品賞を取った『ムーンライト』のような番狂わせ的な雰囲気もあるジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』なども可能性が無いとは言い切れません。
その点、最多13部門ノミネートされた『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロ監督が監督賞を取るのは堅いのではないでしょうか。
『シェイプ・オブ・ウォーター』は作品賞でも有力視されていますが、上記の理由から『スリー・ビルボード』の対抗という立ち位置なのではないかと思っています。
各俳優賞は今回は本命が堅いような気がするのですが、主演男優賞にノミネートされているダニエル・デイ・ルイスが引退を表明している点と、助演男優賞にはサム・ロックウェル以外にも同『スリー・ビルボード』からウィリアム・デフォーがノミネートされており票が割れる可能性があるという点が気になるところです。
ということで、以下に今年のアカデミー賞の予想を表にしてみました。
どれだけ当たるか外れるかはわかりませんが、当たっても外れても非常に面白いエンターテイメントショーなのがアカデミー賞なので、非常に楽しみです。
部門 |
ノミネート |
作品名 |
予想 |
作品賞 |
|
◎ |
|
|
○ |
||
|
△ |
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ファントム・スレッド |
|
△ |
|
監督賞 |
◎ |
||
主演男優賞 |
ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 |
◎ |
|
ファントム・スレッド |
○ |
||
主演女優賞 |
◎ |
||
○ |
|||
◎ |
|||
ウィリアム・デフォー |
ザ・フロリダ・プロジェクト |
○ |
|
アリソン・ジャネイ |
アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル |
◎ |