現在、首都圏を中心に数館、他の地域ではイオンシネマ 京都桂川でのみ公開されている映画『カメラを止めるな!』が話題となっており、公開前からゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018の観客賞となるゆうばりファンタランド大賞を受賞したり、イタリアのウディネ・ファーイースト映画祭では上映後5分間に渡るスタンディングオーベーションが巻き起こる様な盛り上がりをみせていましたが、日本での公開後も上映されている劇場では連日満席が続出し、この映画を観た後の感想も絶賛の嵐、そして今週末からは福岡のユナイテッド・シネマ キャナルシティ13と名古屋のシネマスコーレでも公開が始まり、順次ポン!ポン!と各地の映画館で公開されていくことになり、更なる盛り上がりが予想され、大絶賛の評判も納得の作品なので、下記のサイトで上映館を調べ、是非劇場でご覧いただきたいのですが、満席の場合もありますので、上映時間から余裕を持ってポン!とチケットの購入をされるのがオススメです。
さて、この『カメラを止めるな!』はENBUゼミナールのシネマプロジェクトの第7弾の1作品として制作された映画です。
ENBUゼミナールとは映画・演劇の専門学校なのですが、そのENBUゼミナールにて監督自らの面接にて選ばれた役者達とのワークショップによって映画製作を行うというのがこのシネマプロジェクトです。
そして、今作が劇場用長編デビュー作となる上田慎一郎監督が小劇団の舞台から着想を得て組み立てた骨組みをもとにワークショップの中で選ばれた役者陣へと当て書きをすることで、本作が作られていきました。
だからこそ、有名ではない役者陣でも適材適所にハマっており、キャラクターに説得力があるというのは熱々ポイントです。
そして、上記のような上映規模で、しかも制作費も300万円程という小規模作品ながらも観客動員数が1万人を突破するなど破格の数字を叩き出しています。
もちろん、この作品の完成度や面白さ故のものだと思いますが、この映画を取り巻く空気もこのヒットに繋がっている様に思います。
インディー製作ながらホームページでも見ることができるコメントに集った著名人の豪華さにもそれは現れていますが、首都圏を中心に上映後には監督や出演者による舞台挨拶が頻繁に行われており、それだけでも製作陣がこの作品を本当に大事にしていることが伝わってきますし、映画鑑賞後に登場人物が目の前に現れ、虚実入り混じる中でその様な姿勢を目の当たりにすると、製作陣そのものを応援したくなるという感覚を覚えるのではないでしょうか。
この盛り上がりというのは『SR サイタマノラッパー』や『ケンとカズ』のそれを彷彿させます。
という様に、『カメラを止めるな!』という映画そのものだけでなく、その映画を作った製作陣をも応援したくなり、尚且つ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を観終えた後の様な清々しさすらあるのがこの映画だと思います。
完全ネタバレ仕様となっていますが、シナリオも収録されたパンフレットも読み応えがあり、映画グッズとしても非常にオススメです。
是非、劇場でご覧ください。