チャート式ポップカルチャー

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(コラム)満島ひかりが小沢健二を求めた理由

「今から東京を逃げるか、そのまま続けるか、みたいな境にいて。小沢さんはすごい時にいなくなったなぁって、またすごい時に帰って来たなと思っていて。いなくなったのがすごいかっこいいな。」

これは昨年、Apple Music内のオリジナル動画『Tokyo Music & Us』の中で満島ひかりさんが小沢健二さんに向けて発した言葉です。

 

また、同番組内では「(椎名)林檎さんにドラマの主題歌のレコーディングで会った時に、ものすごい耳が良くって、言って来る指摘がもうとにかく新しくて輝いていて。いる!まだ全然いる!私が見てないもっと上の世界が、沢山輝いているものがある。」というような言葉もありました。

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今年の2月15日、三浦大知さんの武道館公演で満島ひかりさんが18年ぶりに共演し、2人が在籍していたFolderの「NOW AND FOREVER」を披露するということがありました。

更に、翌2月16日には小沢健二さんがミュージック・ステーションに出演された際、サプライズゲストとして満島ひかりさんが登場し、「ラブリー」と「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」の2曲をコラボレーションし披露していました。

1曲目の「ラブリー」は 『Tokyo Music & Us』でも披露されていた様にデュエットの形を取っていましたが、「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」では二階堂ふみさんや吉沢亮さんのパートを満島ひかりさんが担当するだけでなく、パーカッションも同時に演奏されていました。

 

その後、3月1日には満島ひかりさんが所属事務所から独立するというニュースが流れました。

その際、事務所からのコメントには「プロダクションという枠に守られる形ではなく、全て 自分の責任のもと 自由に 独りでやってみたいという本人の意思を尊重することに致しました。と同時に これまでとは全くちがう環境の中で満島ひかりは 未知の壁に直面するでしょう。また 様々な経験を重ねることになると思います。」といったような言葉で今後の彼女の活動を示唆していました。

 

そして、3月28日にNHKで放送された小泉今日子さんがホストを務めた『マイ・ラスト・ソング 人生の最後に聴きたい曲は』内では、9才でデビューしそこからずっと働いていることから、仕事に執着はないということを吐露していました。

 

ここまでで見えてくるのは、園子温監督の『愛のむきだし』以降、女優として突出した才能を開花させ、今では坂元裕二さんのミューズとしても地位を確立している彼女が、その順風満帆に見えるキャリアとは裏腹に、役者としてある種の分岐点を迎えており、役者業を辞めてしまおうかと悩んでいたということ、そして、その一方で音楽の方面で新たなる希望を見出しているということではないでしょうか。

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実際、去年は『カルテット』の主題歌以外にも、Mondo Grossoの「ラビリンス」で歌手としてフィーチャーされ、その後フジロックにも出演、そして主演を務めた『海辺の生と死』も満島ひかりさんの歌声が無くてはならない映画であったことなど、音楽的な活動が増えていたことは間違いありません。

 

更には、2017年10月27日にTOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われた第30回東京国際映画祭『Japan Now 銀幕のミューズたち』部門の『愚行録』のトークイベントでは、ファンからの「舞台、映画、ドラマなどで今まで共演した人の中で、満島さんにとってグッと来た女優、俳優がいれば、教えてください。」という質問に対し「できれば、角度を変えないでみても、うわー!って思う人と共演し続けたい。角度を変えてみたら、みんな自分以上に素晴らしいことってどの世界にもあって。パッと感じた衝動で、うわ!面白い!って思った人のところに。最近あったのは、共演者ではないけれど、オザケンさんが。」と答えていました。

 

その様な流れを汲むと、4月23日の東京国際フォーラムからスタートした小沢健二さんのツアー『春の空気に虹をかけ』の36人編成ファンク交響楽団と名付けられたバンドメンバーの中に満島ひかりさんがいたということはもう必然と言い切ってもよいのではないでしょうか。

 

「今から東京を逃げるか、そのまま続けるか、みたいな境にいた満島さんはすごい時に事務所からいなくなったなぁって、またすごいところに帰って来たなと思っていて。いなくならなかったのがすごいかっこいいな。」

そんな風に思います。