チャート式ポップカルチャー

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(コラム)Suchmosの多様なカルチャー性

現在、ロシアワールドカップが開催されています。

国連加盟国数や国際オリンピック委員会に承認されている国と地域の数より多いとされるFIFA加盟数が表すように、正真正銘、世界中から注目されている世界最大のスポーツイベントです。

個人的には、音楽や映画と比べると、サッカーに対しての興味というのは時期によって関心度の上下はあるのですが、やはりワールドカップやチャンピオンズリーグのような世界有数のトッププレイヤーが一堂に会するような大会となるとどうしても気になってしまいます。

 

さて、NHKでのワールドカップの試合にはSuchmosの「VOLT-AGE」がテーマ曲として選ばれており、昨日のコロンビア戦ではハーフタイム中にSuchmosの演奏も放送されていました。

 

Suchmosといえば、ジャミロクワイを筆頭とするアシッドジャズからの影響が指摘されますが、セカンドアルバム『THE KIDS』以降はブラックミュージック的アプローチよりもロックバンド的なサウンドが目立つようになってきました。

折しも『オアシス:スーパーソニック』というオアシスの初期の2枚のアルバムの時期(シングルのカップリング曲を含めこの時期のオアシスは本当にロックバンドのロマンに満ち満ちた存在でした)にクローズアップした映画の公開時期とも重なるタイミングでした。

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SuchmosのフロントマンであるYONCEさんは、以前OLD JOEというバンドを組んでおり、そのバンドの音楽性はガレージロックやオーセンティックなロックンロールに根ざしたものでした。

というのも、彼が思春期にニルヴァーナを聴き音楽に目覚め、その後日本のロックバンドにも興味を持ち始め、ミッシェル・ガン・エレファントブランキー・ジェット・シティといったバンドに魅了されていったという原体験が非常に大きいのだと思います。

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その後、Suchmosを結成することとなるバンドメンバーとの出会いの中でネオソウルを始めとするブラックミュージックに触れていったというのですが、片やニルヴァーナやオアシス、ザ・ビートルズを他のメンバーに紹介していたという話も今のSuchmosの音楽性に繋がってくるようなものだと思います。

 

一方でYONCEさん以外の他のメンバーに目を向けると、音楽学校出身が多く音楽理論を学んでいたり、上記で述べたようにその志向がブラックミュージックに寄っていることは非常に現在の音楽シーンの潮流に合致するものであり、ディアンジェロJ・ディラへの言及も見逃せないところです。

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つまり、Suchmosというのはブラックミュージック志向のバンドでありながらも、ロックスターとしての系譜にあるフロントマンを有するバンドなのだと思います。

それだけに、今の音楽としても、ルーツに根ざした音楽としても、非常に大きな期待を持ってしまうバンドの1つです。

 

さて、サッカーに視点を向けると、YONCEさんはスティーヴン・ジェラードを好きになって以来リヴァプールFCの大ファンで、ライブのアンコールなどで衣装チェンジをする際にリヴァプールのジェラードのユニフォームに着替えてくるということも少なくありません。

またギターのTAIKINGさんは元サッカー日本代表戸塚哲也さんの息子さんでもあります。

 

ロックバンドとサッカーとの結び付きは、前述のオアシスを筆頭とするような特にイギリスに置いて非常に強いものとなっています。

ここ日本でもそんな文化が育っていけばいいなと思っているのですが、Suchmosこそがその様なカルチャーを結びつけてくれる存在になるのではないかと大きな期待を抱いています。

今回のNHKのワールドカップのテーマ曲として選ばれたのはその序章と言えるのではないでしょうか。

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