チャート式ポップカルチャー

チャートやプレイリストから現在のポップカルチャーを眺めるブログ

(エッセイ)マーベル・シネマティック・ユニバースと海外ドラマと読書について

 

気軽な文章も書き始めようと思い、新しくエッセイというカテゴリーを作ってみました。

このブログは音楽や映画を中心とした現在のポップカルチャーを眺めることがテーマなので、エッセイでも話題の中心はポップカルチャーになると思うのですが、今までコラムで書いてきたものよりも少しライトで自由な文章が書ければと思っています。

 

さて、この1ヶ月ほどは映画に対して不感症のようなものを患っています。

その原因はもちろん『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観たからです。

マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)が11年かけて積み上げてきたものが全て回収されるような体験は、MCUというシリーズだけでなく映画史や映画を観ること自体の一つの区切りのように思えたのです。

更には、映画の判断基準が『アベンジャーズ/エンドゲーム』での興奮や感動とどうしても比べてしまうので、以前からの頻度と比べると映画館から少し足が遠ざかっています。

 

とはいえ、ポップカルチャーに対して興味が無くなったわけではなく、映画館に行っていた分の時間は海外ドラマや読書に充てています。

中でも先月完結を迎えた『ゲーム・オブ・スローンズ』を今更ながら観始め、現在シーズン4の段階なのですが、MCUでの興奮や感動と比べても全く劣らないクオリティとその語り口に非常に興奮しています。

 

思い返せばMCUが始まった2008年は『ブレイキング・バッド』が放送開始された年でした。

それ以後も2011年には『ゲーム・オブ・スローンズ』、2013年には『ハウス・オブ・カード』、2016年には『ストレンジャー・シングス』といった人気シリーズが放送開始され、また2017年には『ツイン・ピークス』の25年ぶりの新作でも盛り上がり、この10年は何十時間にも及ぶストーリーテリングのドラマが非常に好調な10年間だったと言えます。

つまり、MCUがドラマのように1作ずつ物語を積み重ねたり、シーズンを跨いだ物語による盛り上げ方を取り入れていたことは、このようなドラマの隆盛とシンクロしたものでした。

 

そして、この感覚は読書にも似たものだと考えています。

読書はこの1冊を読めば全てを理解できるということではありません。

けれども、何冊も読んでいくことで知識が身についてきたり、本の読み方がわかってくることで、頭の中がだんだんと整理されていきながらも、カオスな部分も広がっていく感覚があります。

そして、たまにある1冊を読むことで今まで読んできた本が突然連鎖反応のように繋がりだすことがあります。

そのような肺活量を必要とする潜水的な表現に今は心が惹かれているのかもしれません。